今日は、歯科衛生士として「定期検診のときに意識していること」を書きたいと思います。
よく、「3ヶ月おきに来てくださいね」と言われますよね。
でも患者さんからすると、その間に大きな変化があった実感って…そこまでないこともあります。
「本当に必要?」
「短いスパンで行くのは面倒…」
そう思うの、めちゃくちゃわかります。
ただ、だからこそ定期検診には“意外と大事な役割”がいくつもあります。
「歯石取り」だけじゃない定期検診
よくあるイメージって
「歯石取って、フッ素を塗って終わり」
って感じじゃないですか?
でも実際には、もっといろんな視点でみています。
- ちょっとした腫れがないか
- ブラッシングの当て残しのクセ
- 生活の変化が口の中に出ていないか
たとえば、仕事が忙しくなると噛みしめ癖や歯ぎしりなどが出て、
食いしばりの後や歯のすり減りが見られるようになる。
そんな小さな変化が、「未来のトラブルの予告編」だったりします。
患者さんの前では言わないけれど…
「毎日しっかり磨いてくださいね」
「もっとフロスを使ってくださいね」
たしかに正論です。
でも、それがしんどい日もありますよね。
子育てしていたら
夜は寝かしつけで一緒に寝落ち…
気づいたら朝…
(これ、わたしも普通にやります)
だから、
「できる範囲でいいから頑張りましょう」
という温度感を大事にしています。
伝えないと後悔につながることもある
「少し歯ぐきが下がってきています」
「ここ、磨き残しが続くと虫歯になりやすいです」
言われると不安になる言葉もありますが、
これは“行動のスイッチ”になるから伝えています。
ただし伝え方はとっても大事です。
- 不安を煽らない
- 強制しない
- 自分ごととして理解してもらう
同じ内容でも、
「危険です!」と
「ここ気づけてラッキーです!」
では、全然違います。
コミュニケーションの目的=信頼の貯金
定期検診の短い時間の中で
「この人の言うこと、ちょっと信じてみようかな」
と感じてもらえるかどうか。
大げさに言うと、
信頼の積み上げが、健康の積み上げになります。
日常生活のクセに気づけるのは患者さん自身です。
わたしたちは、その“気づきのサポーター”みたいな役割です。
まとめ
定期検診って、
「虫歯ができてから行く場所」ではなくて、
「虫歯や歯ぐきの不調を大きくしないために行く場所」なんだと思っています。
痛みが出てからあわてて治療する前に、
「ちょっと赤いな」「ここだけ汚れがたまりやすいな」などの小さなサインに、一緒に気づけます。
そのほうが、心にもお財布にもずっとやさしいです。
とはいえ…
無理なく、できる範囲で。
肩の力を抜いて、来てもらえたら嬉しいです。
今日の自分を、明日の笑顔につなげるために。
一緒に頑張りましょう。

