「歯ぐきから血が出るけど、まぁ大丈夫かな」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
実はそれ、歯周病の“はじまりのサイン”かもしれません。
歯周病というと、歯がグラグラして抜けてしまう…というイメージが強いですが、初期のうちはほとんど痛みがありません。だからこそ、気づかないうちに進行してしまうことが多いのです。
今日は、そんな歯周病の初期症状と、自分でできるセルフチェックの方法をお話しします。
歯周病のはじまりは「気づきにくさ」
歯周病は、ざっくり言うと「歯を支える骨が少しずつ溶けていく病気」です。
原因は、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)にたまるプラーク(細菌のかたまり)。これが歯石となり、歯ぐきに炎症を起こし、やがて骨にまで影響します。
初期の段階では、見た目も大きく変わらず、痛みもほとんどありません。
だからこそ、以下のような“小さな変化”を見逃さないことが大切です。
初期症状のサインをチェック!
- 歯みがきのとき、歯ぐきから血が出る
- 歯ぐきが赤く、少し腫れている気がする
- 口の中がネバつく
- 朝起きたとき、口臭が気になる
- 歯と歯の間に、食べ物がよくはさまるようになった
ひとつでも当てはまったら、要注意。
「疲れてるだけかな」「寝不足だからかも」と思って放置してしまうことが多いのですが、実はそれが初期の歯周病(=歯肉炎)のサインです。
鏡でできるセルフチェック方法
歯科医院に行く前に、自分でできる簡単チェックもあります。
- 鏡で歯ぐきの色を見る
→ 健康な歯ぐきは薄いピンク。赤みや腫れがあれば炎症のサイン。 - 歯ブラシで軽く磨いて出血するか
→ 出血する場合、歯ぐきが炎症を起こしている可能性あり。 - 歯と歯ぐきの境目を見てみる
→ 歯ぐきが少し下がっていたり、隙間ができていませんか? それも初期変化のひとつです。 - 口臭の変化に気づく
→ 歯周病菌が増えると、特有の“すっぱいようなにおい”が出ることがあります。
もちろん、セルフチェックはあくまで目安。
「なんか気になるな」と思ったら、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。
よくある誤解:「痛くない=大丈夫」ではない
歯周病は、痛みが出るころにはすでに進行しています。
「歯がグラグラしてきた」「噛むと違和感がある」という状態は、中〜重度の段階です。
初期のうちに気づけば、セルフケアとプロのクリーニングで改善できます。
一方で、放っておくと、歯を支える骨が元に戻らなくなってしまうこともあります。
「痛くないから大丈夫」と思うのが、いちばん危険。
“違和感”こそ、早期発見のチャンスなのです。
予防と日々のケアで変わる
初期の段階であれば、家庭でのセルフケアと歯科医院でのプロケアの両立で、改善が見込めます。
特に意識したいのはこの3つ。
- 歯と歯ぐきの境目を意識して磨く
- フロスや歯間ブラシを習慣にする
- 定期的に歯科医院でチェックを受ける
「歯石取りって痛そう…」という声もありますが、痛みが出る前に行えば、むしろ快適です。
定期的なクリーニングは、美容院に行くような感覚で考えると続けやすいですよ。
まとめ
歯周病は、静かに進む病気です。
でも、初期のサインに気づいて行動できれば、十分に防げます。
「血が出る」「歯ぐきがむずむずする」
そんな小さな変化こそ、体が出しているSOSです。
毎日の歯磨きのついでに、鏡で歯ぐきをチェックしてみてください。
そして、気になるときは早めの相談を。
それが、歯を守るいちばんの近道です。

