生活の中にある意外なクセとは?
「ちゃんと磨いているのに、なぜか虫歯ができる……」
そんな経験、ありませんか?
今日は、“虫歯ができやすい人”に共通する特徴を、歯科衛生士としての視点からお話ししたいと思います。
原因は「ケア不足」だけではなく、実は生活の小さなクセや体の性質にも関係しています。
よくある誤解:「歯磨きしていれば大丈夫」?
多くの人が「1日3回歯磨きしている=虫歯にならない」と思っています。
でも実際には、磨いていても虫歯になる人がいます。
なぜでしょうか?
それは、「磨き方」と「タイミング」に落とし穴があるからです。
たとえば、
- 朝食後は慌ただしくてサッと済ませてしまう
- 夜は疲れて、つい軽めに終わる
- フロス、歯間ブラシなど補助用具を使わず歯ブラシだけでOKと思っている
こうした“なんとなく習慣”の積み重ねが、虫歯の温床になることがあります。
特徴①:唾液が少ないタイプ(ドライマウス気味)
虫歯予防において、唾液はとても大切な存在です。
唾液には、口の中を洗い流し、中和し、歯を修復するという自然の防御機能があります。
でも、
- 口呼吸をしている
- 水分をあまり取らない
- ストレスが多い
- 薬の副作用がある
といった要因で唾液の量が減ると、虫歯菌が活動しやすくなります。
つまり、唾液が少ない=虫歯になりやすい環境なんです。
「口の中がよく乾く」「朝起きたとき口がネバつく」などのサインがある人は、要注意です。
特徴②:間食や甘い飲み物が多い
虫歯菌は「糖分」が大好きです。
お菓子を食べること自体が悪いわけではなく、“回数”が多いことが問題です。
たとえば、
・10時にチョコ、
・15時にクッキー、
・夜にアイス。
これだと、口の中がずっと酸性のままになり、歯が溶けやすい状態が続きます。
実は「量」よりも「頻度」が虫歯リスクを左右します。
「おやつは1日1〜2回にまとめる」「飲み物はお茶や水中心にする」だけでも、だいぶ変わります。
特徴③:歯の形や歯並びが複雑
これは少し“生まれ持った”部分です。
歯の溝が深かったり、歯並びが重なっていたりすると、どうしても磨き残しが出やすいです。
特に、
- 奥歯の溝(ミゾに汚れが溜まりやすい)
- 歯が重なっている部分(フロスが通りにくい)
こうした箇所は、丁寧に磨いても落としきれないことがあります。
歯ブラシの角度を工夫したり、フロスや歯間ブラシを併用するのが効果的です。
特徴④:夜の歯磨きを軽視している
「寝る前の歯磨き」は、虫歯予防の最重要ポイントです。
なぜなら、寝ている間は唾液が減り、細菌が繁殖しやすくなるからです。
つまり、夜に磨かないということは、虫歯菌に“ゴールデンタイム”を与えるようなもの。
朝より夜のケアを丁寧にすることが、実は一番の予防になります。
特徴⑤:仕上げケアが不十分(フロス・歯間ブラシ)
フロスや歯間ブラシって、なんとなく“上級者のアイテム”に見えるかもしれませんよね。
でも本当は、とても身近なケアなんです。
実は虫歯の8割は歯と歯の間から始まります。
歯ブラシだけでは届かない“スキマ汚れ”を取るために、
1日1回フロスを通すだけで虫歯リスクがグッと下がります。
最初は面倒でも、慣れると「歯がスッキリして気持ちいい!」という感覚が出てきます。
特徴⑥:無意識の“口呼吸”
意外と多いのが、口呼吸です。
鼻が詰まっていたり、寝るときに口が開いていたりすると、口の中が乾燥し、虫歯や歯周病の原因になります。
口呼吸をしている人は、
・朝、口の中がカラカラ
・いびきをかく
・唇がよく乾燥する
といった特徴があります。
「鼻呼吸を意識する」「加湿器を使う」などの工夫も、立派な虫歯予防です。
完璧じゃなくて大丈夫
ここまで読んで、「あ、全部当てはまるかも……」と思った方もいるかもしれません。
でも、心配しなくて大丈夫です。
虫歯予防は完璧さより“気づき”が大事です。
今日から「おやつの回数を減らしてみよう」「寝る前だけでも丁寧に磨こう」といった小さな行動で十分です。
続けることで、確実に変わっていきます。
まとめ
虫歯ができやすい人には、
生活リズムや体質、そして“ケアのクセ”に共通点があります。
- 唾液が少ない
- 間食が多い
- 歯の形が複雑
- 夜のケアを軽くしている
- フロスを使っていない
- 口呼吸をしている
どれも「意識すれば変えられること」です。
難しく考えず、“できる範囲で整える”ことを意識してみてください。
歯は、毎日のちょっとした積み重ねで守ることができます。
明日の自分の笑顔のために、今日から少しずつ整えていきましょう

