「最近、歯が長くなった気がする」「歯の根元がしみる」——そんなふうに感じたこと、ありませんか。
実はそれ、歯ぐきが下がっているサインかもしれません。歯科衛生士として15年、診療室で「歯ぐきが下がってきた」というお悩みは本当によく聞きます。30代後半くらいから増えてきて、40〜50代では「気になっている」という方がかなり多いんですよね。
でも、歯ぐきが下がること自体は珍しいことではなくて、毎日のケアで進行を遅らせることは十分できます。そのカギの一つが「歯磨き粉の選び方」なんです。
この記事でわかること:
- 歯ぐきが下がる主な原因3つ
- 歯磨き粉を選ぶときに見るべき成分
- 歯科衛生士が実際に患者さんにすすめている歯磨き粉3選
歯ぐきが下がる原因は大きく3つ
まず「なぜ歯ぐきが下がるのか」を知っておくと、歯磨き粉の選び方がグッとわかりやすくなります。
1. 歯周病(歯ぐきの炎症)
歯ぐきが下がる原因で一番多いのが、歯周病です。歯と歯ぐきの間にたまった歯垢(プラーク)が歯ぐきに炎症を起こし、少しずつ歯を支える骨が溶けていくことで、歯ぐきも一緒に下がっていきます。
初期段階では痛みがないので、気づいたときにはけっこう進行していることも。歯磨きのときに血が出る方は要注意です。
2. 力を入れすぎたブラッシング
「しっかり磨かなきゃ」と思って、ゴシゴシ力を入れて磨いていませんか? 実はこれ、歯ぐき下がりの大きな原因なんです。
診療室でも「毎日ちゃんと磨いているのに歯ぐきが下がる」という方の多くが、磨く力が強すぎるパターン。歯ブラシの毛先が1ヶ月もたずに広がる方は、力の入れすぎが疑われます。
3. 加齢による変化
残念ながら、年齢とともに歯ぐきは少しずつ下がっていきます。10年で約2mm下がるともいわれています。加齢を止めることはできませんが、歯周病やブラッシング圧をコントロールすることで、進行を遅らせることは可能です。
歯磨き粉を選ぶときに見るべき3つの成分
ドラッグストアに行くと歯磨き粉の種類が多すぎて迷いますよね。歯ぐきが下がるのが気になる方は、以下の3つの成分が入っているかチェックしてみてください。
殺菌成分(IPMP・CPC・クロルヘキシジン)
歯周病菌を減らすための成分です。IPMP(イソプロピルメチルフェノール)は、歯周病菌の巣であるバイオフィルムの中にまで浸透できるのが特徴。市販の歯磨き粉に配合されている殺菌成分の中では、効果が高いといわれています。
抗炎症成分(トラネキサム酸・β-グリチルレチン酸)
歯ぐきの腫れや出血を抑える成分です。歯磨きのときに血が出る方は、この成分が入った歯磨き粉を選ぶと改善が期待できます。
歯ぐき活性化成分(ビタミンE・OIM加水分解コンキオリン)
歯ぐきの血行を促進したり、組織の修復を助けたりする成分です。特にOIM加水分解コンキオリンは、歯ぐきの細胞を活性化させる成分として注目されています。
歯科衛生士がすすめる歯ぐきケア歯磨き粉3選
実際に診療室で患者さんにおすすめすることが多い3つを紹介します。どれもドラッグストアや通販で手に入ります。
コンクール リペリオ
歯ぐきが下がるのが気になるなら、まず試してほしいのがこれ。OIM加水分解コンキオリン配合で、歯ぐきの細胞を活性化し、組織の修復を助けてくれます。塩化ナトリウムが歯ぐきを引き締める効果もあります。
泡立ちが少ないので、磨いている場所を確認しながらじっくり磨けるのもポイント。歯ぐきマッサージ用としても使えます。指に少量とって、歯ぐきをやさしくマッサージするのが私のおすすめの使い方です。
システマ ハグキプラス プレミアム
手に入りやすさでは一番。ドラッグストアならほぼどこでも置いてあります。IPMP(殺菌)+トラネキサム酸(抗炎症)+ビタミンE(血行促進)のトリプル配合で、歯周病予防に必要な成分がバランスよく入っています。
普段使いの歯磨き粉として「まず何を選べばいい?」と聞かれたら、これを答えることが多いです。味もマイルドで使いやすいですよ。
カムテクト コンプリートケアEX
「歯ぐき下がり予防」を明確に打ち出している歯磨き粉。フッ素1450ppm配合で虫歯予防も兼ねられるのが強みです。重曹ベースの処方で、歯垢をしっかり除去しながら歯ぐきもケアできます。
味がやや独特(塩っぽい)なので、好みが分かれるかもしれません。でも効果を実感している患者さんは多い印象です。
歯磨き粉と一緒に見直したい磨き方のポイント
どんなに良い歯磨き粉を使っても、磨き方が間違っていると効果は半減します。歯ぐきが下がるのを防ぐために、以下の3つを意識してみてください。
歯ブラシは「やわらかめ」を選ぶ
歯ぐきが下がっている方には「やわらかめ」の歯ブラシをおすすめしています。「ふつう」でも力加減次第では歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。
力加減は「150〜200g」を目安に
歯ブラシを持つ力は、キッチンスケールに歯ブラシを押し当てて150〜200gくらいが目安。意外と軽いんですよ。毛先がしなる程度の力で十分です。
歯と歯ぐきの境目を意識する
歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目(歯肉溝)に45度の角度で当てて、小刻みに動かします。いわゆる「バス法」と呼ばれる磨き方です。歯ぐきのマッサージにもなるので、血行促進にも効果的です。
→ 関連記事: 正しい歯磨きの順番と当て方を解説
まとめ
- 歯ぐきが下がる主な原因は「歯周病」「ブラッシング圧」「加齢」の3つ
- 歯磨き粉は殺菌・抗炎症・歯ぐき活性化の成分で選ぶ
- 歯ぐき活性化ならコンクール リペリオ、バランス重視ならシステマ ハグキプラス
- 磨き方も見直す。「やわらかめ」の歯ブラシで、150〜200gの力加減で
- 気になる方は歯科医院で定期検診を。早めのケアが一番の予防です
まずは今使っている歯磨き粉の裏面を見て、殺菌・抗炎症成分が入っているかチェックしてみてください。それだけでも、歯ぐきケアの第一歩になりますよ。
→ 関連記事: 歯ぐきが下がる原因と予防法
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