毎週更新中✨子育てママ歯科衛生士の「やさしい口腔ケア」

歯科衛生士の産後復帰が怖かった話と乗り越え方

復帰の日が1週間後に迫ったとき、夜中に何度も目が覚めました。

「スケーラー、ちゃんと持てるかな」「産前と同じように動けなかったらどうしよう」——そんなことがぐるぐると頭の中を回って、朝になってもぼんやりしたまま子どもの授乳をしていた記憶があります。

歯科衛生士歴15年の私でも、産後復帰はこんなに怖かった。この記事では、私が実際に感じた不安と、それをどう乗り越えたかを正直に書いてみます。同じように悩んでいる方の気持ちが、少しでも軽くなれば嬉しいです。

目次

産後復帰で怖かった3つのこと

スケーリングの感覚を忘れていないか

産休・育休中、当然ですが一度もスケーラーを握りませんでした。復帰直前になって急に「あの感覚、覚えてるかな?」という不安が出てきたんです。

15年のキャリアがあっても、手技は使わないと鈍るもの。特に繊細な触圧感覚が必要なスケーリングは、「体が覚えてるはず」と思いつつも自信を持てませんでした。産後は体型も変わっているし、肩や腕の使い方もどこか違う気がして。

新しい器具や手技についていけるか

産休中にも歯科業界は少しずつ変わります。新しい器具、新しいプロトコル、スタッフの入れ替わり——自分だけ時間が止まっていたような感覚があって、「浦島太郎みたいになってたらどうしよう」と本気で思っていました。

ブランクがあると、その間の変化についていけないんじゃないかという焦りは、多くの衛生士さんが感じることだと思います。私は歯科衛生士のブランク復帰に関する情報を片っ端から調べて、「みんな同じことを不安に思っている」とわかっただけで少し楽になりました。

子どもが熱を出したときに休めるか

これが一番リアルな不安でした。歯科クリニックはアポイントが詰まっています。自分が急に休むことで、患者さんに迷惑をかけてしまう。職場に申し訳ない。そんな罪悪感が先に来てしまって、「本当に働き続けられるのか」という根本的な疑問に変わっていきました。

子育てと仕事を両立している歯科衛生士の先輩はたくさんいるのに、自分にできるのかどうか、まったく想像できなかったんです。

復帰前にやってよかった準備

手技の練習を自宅で少しだけ

器具は持ち出せないので、実際に練習することはできませんでした。でも「ペン持ち」のグリップだけは毎日少しだけ意識して、手首のストレッチを続けました。完璧な準備ではないけれど、「何もしていない」より体が動く気がした、というのが正直なところです。

あとは職場の先輩に連絡を取って、復帰前に少しだけ話せる機会をもらいました。「ブランクあっても大丈夫だよ」という一言が、どれだけ救われたか。

求人は「復帰しやすさ」で選んだ

私の場合は産前と同じ職場への復帰でしたが、もし転職を考えているなら、パートの選び方で「育児中スタッフへの理解」を最優先にすることを強くすすめます。

給与や立地だけで選ぶと、後から「子どもが熱でも休みにくい雰囲気」に悩むことになります。面接で「育児中のスタッフは何人いますか」と聞くだけで、その職場の空気感が大体わかります。

育児の分担を夫と決めた

これが一番大事だったかもしれません。「子どもが熱を出したとき、どちらが休むか」をあらかじめ決めておくことで、職場への罪悪感がずいぶん薄れました。

「なんとかなる」という曖昧な見通しじゃなく、「月曜・水曜は私が対応する、火・木は夫が有休を使う」というように具体的に決めておくと、復帰への心理的ハードルがぐっと下がりました。

実際に復帰して気づいたこと

復帰初日は手が震えていました。でも最初の患者さんのスケーリングを終えたとき、「あ、覚えてる」と思いました。体って正直で、ちゃんと手が覚えていてくれました。

思っていたよりずっと早く、1〜2週間でほぼ産前と同じ感覚で動けるようになっていました。ブランクへの恐怖は、実際の体の回復よりずっと大きく膨らんでいたんだと気づきました。

それから、ブランクを理由に患者さんが離れるようなことは一度もありませんでした。むしろ「赤ちゃん、何ヶ月になった?」と声をかけてもらって、関係性が深まった患者さんもいたくらいです。

周りのスタッフを見渡したら、育児中の衛生士さんが半数近くいました。「子どもが熱で早退します」という連絡をお互い様でカバーし合う文化があって、一人で抱え込まなくていいんだと実感しました。自分のキャリアの描き方については、復帰後しばらく経ってから歯科衛生士としてのキャリアの描き方を改めて考えるようになりました。焦らなくていいんだと思えたのは、復帰を経験してからです。

今、復帰を迷っている歯科衛生士さんへ

完璧を目指さなくていいです。復帰初日から「産前と同じクオリティ」を出そうとしなくていい。最初の1ヶ月は慣れる期間。そう割り切ると、ずいぶんと楽になります。

「仕事と子育ての両立」って、どこかで天秤にかけているイメージがありませんか。でも実際には、どちらかを犠牲にするわけじゃない。子どもの成長を間近で見ながら、自分も歯科衛生士として成長し続けることは、ちゃんとできます。

怖い気持ちは、それだけ仕事に真剣だということの裏返しでもあります。不安を感じているあなたは、きっと真面目で丁寧な衛生士さんなんだと思います。

復帰後の自分を、少しだけ信じてみてください。体は、ちゃんと覚えていますよ。

この記事を書いた人

歯科衛生士として長年勤め、そして3人の子育てをしながら「毎日のケアをもっと楽に、優しくしたい」という想いでオーラルNoteを運営しています。

専門知識だけでなく、実際のママとしての経験も交えて、家でできる正しいお口のケア方法をわかりやすくお届けします。

むずかしい話ではなく「今日からちょっとだけラクになるケア」を大切に発信しています。

目次