子どもの口から「ん?ちょっと臭うかも…」と感じたこと、ありませんか?
朝起きたときや、お迎えのときにふわっと気になる口のにおい。「虫歯があるのかな」「病気じゃないよね?」と不安になるママも多いと思います。
私も歯科衛生士として15年働いてきて、保護者の方から「子どもの口が臭いんですけど…」と相談されることが本当に多いんです。でも実は、子どもの口臭って原因がはっきりしていることがほとんどで、家庭で対策できるケースが大半なんですよ。
この記事では、歯科衛生士ママとして現場で見てきた経験をもとに、以下をお伝えします。
- 子どもの口臭に多い5つの原因がわかる
- 家庭ですぐに始められるケア方法がわかる
- 「歯医者に行くべき?」の判断基準がわかる
子どもの口臭の原因5つ
子どもの口臭には、いくつかの代表的な原因があります。どれも珍しいものではないので、「うちの子だけ…」と心配しすぎなくて大丈夫ですよ。
1. 磨き残しによる歯垢のにおい
子どもの口臭の原因で一番多いのが、歯磨きの磨き残しです。
歯と歯の間や、奥歯の溝、歯ぐきのきわは磨きにくい場所で、食べかすや歯垢(しこう=細菌のかたまり)がたまりやすいんです。歯垢は放置すると細菌が増えて、イヤなにおいを出します。
特に6歳前後で生えてくる「6歳臼歯」は、生えかけのうちは歯ぐきに半分隠れていて歯ブラシが届きにくいので要注意です。
2. 口呼吸による口の乾燥
口をぽかんと開けて呼吸していると、口の中が乾燥して唾液(つば)の量が減ります。
唾液には口の中を洗い流して細菌の増殖を抑える働きがあるので、唾液が減ると細菌が増えやすくなり、口臭につながります。
お子さんが寝ているときに口が開いていたり、テレビを見ているときにぽかん口になっていたら、口呼吸のサインかもしれません。以前書いたお口ぽかんチェック&トレーニングの記事も参考にしてみてくださいね。
3. 鼻づまり・副鼻腔炎
鼻がつまっていると自然と口呼吸になります。慢性的な鼻づまりやアレルギー性鼻炎があるお子さんは、口臭が気になりやすい傾向があります。
また、副鼻腔炎(蓄膿症)の場合は、鼻の奥にたまった膿がにおいの原因になることもあります。風邪をひいた後に鼻水が黄色っぽくなったり、においが長引く場合は耳鼻科の受診もあわせて検討してみてください。
4. 寝起きの口臭(生理的口臭)
朝起きたときの口のにおいは、大人も子どもも誰にでもあるものです。
寝ている間は唾液の分泌がぐっと減るので、口の中の細菌が一気に増えます。これは「生理的口臭」と呼ばれるもので、朝ごはんを食べたり水を飲んだりすると自然に落ち着きます。
ただし、日中も口臭が続く場合は他の原因がないか確認してみましょう。
5. 虫歯・歯ぐきの炎症
虫歯の穴に食べかすがつまると、細菌が繁殖してにおいの原因になります。特に乳歯の虫歯は進行が早いので、気づいたときにはかなり大きくなっていることもあります。
また、歯ぐきが赤く腫れている場合は「歯肉炎」(歯ぐきが炎症を起こしている状態)の可能性があります。子どもでも歯肉炎は起こりますし、口臭の原因になります。
家庭でできる口臭ケア5つ
1. 仕上げ磨きを丁寧に
小学校低学年くらいまでは、子どもだけの歯磨きではどうしても磨き残しが出ます。1日1回、できれば夜の歯磨きのあとに仕上げ磨きをしてあげてください。
ポイントは「奥歯の噛む面」「歯と歯ぐきの境目」「上の前歯の裏側」の3箇所を意識すること。ライトで照らしながら見ると、磨き残しの白い歯垢が見つけやすいですよ。
仕上げ磨きについてもっと詳しく知りたい方は、仕上げ磨きはいつまで?の記事もぜひ読んでみてください。
2. デンタルフロスを使う
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは約60%しか取れないといわれています。子どもの歯は隙間が狭いので、デンタルフロスを使うと効果的です。
子ども用のフロスピック(持ち手つきフロス)なら、親御さんでも使いやすいです。最初は嫌がるかもしれませんが、「虫歯バイキンを取ろうね」と声をかけながらやると、だんだん慣れてくれますよ。
フロスの選び方はデンタルフロスおすすめ5選の記事でまとめています。
3. 鼻呼吸を意識させる
口呼吸の癖があるお子さんには、「お口閉じようね」とやさしく声をかけてあげましょう。
遊びながらできるトレーニングとして「あいうべ体操」がおすすめです。「あー・いー・うー・べー」と大きく口を動かす体操で、口まわりの筋肉が鍛えられて口が閉じやすくなります。お風呂の時間に一緒にやると楽しいですよ。
4. 水分をこまめに取る
口の中が乾燥すると細菌が増えやすくなるので、こまめな水分補給が大切です。
おすすめはお水やお茶。ジュースは糖分が多く、むしろ虫歯の原因になるので避けましょう。特に寝る前にジュースを飲む習慣がある場合は、お水に切り替えるだけでも口臭の改善が期待できます。
5. 舌もやさしくケアする
子どもの舌の表面に白っぽいものがついていたら、それは舌苔(ぜったい=舌の表面についた細菌や汚れのかたまり)かもしれません。
子どもの場合はガーゼを指に巻いて、舌の奥から手前にやさしく数回なでるだけで十分です。力を入れすぎると舌の表面を傷つけてしまうので、なでるくらいのやさしさで大丈夫ですよ。
大人の舌ケアについては舌苔の正しい取り方の記事も参考にどうぞ。
歯医者に行くべき?判断のめやす
以下のような場合は、かかりつけの歯科医院に相談してみてください。
- 家庭でケアしても2週間以上口臭が続く
- 歯ぐきが赤く腫れている・出血がある
- 歯に穴や黒い点がある
- 鼻づまりが慢性的に続いている(→耳鼻科も検討)
診療室で私たち歯科衛生士が行うのは、まず歯垢がどのくらい残っているかのチェックです。磨き残しを染め出し液で可視化してくれる歯科医院も多いので、お子さん自身が「ここが磨けてないんだ」と気づくきっかけにもなります。
定期検診を半年に1回受けるだけでも、虫歯や歯肉炎の早期発見につながりますよ。
まとめ
- 子どもの口臭の原因は「磨き残し」「口呼吸」「鼻づまり」「寝起き」「虫歯」の5つが多い
- 仕上げ磨き・フロス・鼻呼吸の意識づけが家庭でできる基本の対策
- 2週間以上改善しない場合や歯ぐきの腫れがある場合は歯科医院に相談を
- 朝の口臭は「生理的口臭」で心配しすぎなくて大丈夫
- 定期検診を活用して、プロにチェックしてもらう習慣をつけるのがおすすめ
お子さんの口臭は、原因がわかれば家庭で対処できることがほとんどです。まずは今夜の仕上げ磨きから、ちょっと意識して「奥歯」と「歯ぐきのきわ」を磨いてみてください。それだけで変わることも多いですよ。

