今日は「指しゃぶりって、どのくらい歯並びに影響するの?」というテーマについて書きたいと思います。
多くの場面で「3歳ごろまでにやめさせたほうがいいですよ」と言われることがあります。
確かに理想の時期はそうだと思います。ですが現実的には色々と難しいですよね。
うちの子「まだやってるけど大丈夫?」「無理にやめさせたほうがいいの?」みたいな気持ちが、
焦りとなってしまいがちです。
とはいえ、実際はそんなに単純ではありません。
今日は、この“もやっと感”を少し整理しながら、現実的に取り組める考え方をまとめてみます。
指しゃぶりが歯並びに影響するって、よく聞く話
一般的に言われているのは「指を吸う力で、歯やアゴに外から力がかかる」ということです。
なのでずっと押されていると、歯がその方向に動きやすくなる ということです。
強すぎる力じゃなくても、長い時間だと影響が出てきます。
ただし、「じゃあ今すぐやめさせなきゃ!」とは限りません。
ここがよくある誤解ポイントです。
よく言われる「やめさせたほうがいいですよ」の落とし穴
このアドバイス、言われてもどうしたらいいのか分からず、プレッシャーが強くなりがちです。
とくに保育園の先生や身近なママ友から言われると、
「うちの子だけ遅れてるのかな…」と感じることもあります。
でも、それって単なる“一般論”で語られていることが多いです。
実際は、年齢・頻度・吸い方・時間の長さ などによって影響の出方はぜんぜん違います。
「寝る前だけ吸う」子と
「日中ずっと吸う」子では、負担の種類が違います。
とはいえ、心配に感じる気持ちもすごくよくわかります。
子どものクセって、やめさせようとすると逆に意識して強くなることがあります。
「やめさせなきゃ」と思えば思うほど、親の気持ちも疲れやすくなります。
だからこそ、“力づくではなく、やさしく減らす”方向に切り替えるのがポイントです。
「現実的な対策」とは?
ここからは、ママ歯科衛生士としての視点で、無理なく続けられる工夫を紹介します。
全部いっぺんにやる必要はありません。
お子さんの性格に合わせて、合いそうなものから取り入れてください。
● 1. 「気持ちの置き換え」をつくる
指しゃぶりって、実は 不安や眠気のサイン のことが多いです。
睡眠前や退屈なときに多いのはそのためです。
なので、
「布おもちゃを持つ」
「お気に入りのタオルを触る」
など、安心できる“代わりの行動”を用意すると、少しずつ指から離れていきます。
大人がコーヒーでホッとするのと、ちょっと似ています。
● 2. 「手を使う遊び」を増やす
積み木・粘土・お絵かきなど、手が忙しいと指しゃぶりが減りやすいです。
これ、けっこう効果があります。
理由はシンプルで、指がヒマだと吸いたくなるからです。
● 3. 「寝かしつけの習慣」を少しだけ整える
寝かしつけの時間って、指しゃぶりが一番増えやすいです。
照明を暗くする、寝る前に絵本を読むなど、
“安心できる流れ”があると指に頼らなくなります。
大人でも、落ち着くルーティンがある日とない日で、寝つきが変わるのと同じです。
● 4. 「声かけは“やめて”ではなく、“こっちにしようか”にする」
「やめなさい!」と言われると、子どもは逆に意識してしまいます。
代わりに、
「眠たい時間だね。タオルぎゅってする?」
みたいに “行動の提案” にしてあげると、気持ちの方向が変わります。
● 5. 歯並びに影響が出るかも、と感じたら歯科に相談
上下の前歯が前に出てきた、口が閉じにくい気がする…
そんな変化があれば、早めに歯科に相談すると安心です。
診断ではなく、
「これはクセで影響が出やすいタイプか」
「自然に治る可能性が高いか」
みたいな整理ができます。
専門家に確認するだけで、親の不安がぐっと軽くなります。
まとめ
指しゃぶりはクセのように見えて、子どもにとっては安心するための行動です。
だからこそ、無理やりやめさせようとすると、親も子も負担が大きくなってしまいます。
大事なのは、
「やめさせる」より「安心できる別の方法を増やす」ことです。
その方が、自然と回数が減りやすいですし、子ども自身もストレスが少なく過ごせます。
歯並びへの影響が気になるときは、遠慮なく歯科で相談してください。
気持ちが軽くなる方向で、少しずつ整えていけば大丈夫です。

