今日は「歯周病って、実はお口だけの話じゃないんです」という話を書きたいと思います。
よく「歯周病は全身に影響する」と言われますが、それっていまいちピンと来ないですよね。
しかも歯医者さんに行くと「きちんとケアしないと全身にも影響が〜」と説明されることがありますが、
どう影響が起こるのかわからないですよね。
というわけで今回は、難しい専門用語をさらっとシンプルにまとめてみます。
肩の力を抜いて読んでもらえたら嬉しいです。
歯周病が「全身に広がる」と言われる理由って本当?
まず、一般的にこんな説明をよく聞きます。
「歯ぐきの炎症が血管に入り、全身に回ってしまう」
「歯周病菌が心臓や血管にも悪さをする」
確かに研究でもそういう可能性が指摘されています。でも、こういう言い方だけ聞くとすごく不安になりませんか。
しかも「じゃあ何をすればいいの?」という肝心な部分が置き去りにされがちです。
ここで一回、日常のイメージに置き換えてみますね。
例えば、台所で小さい生ごみが残っていると、部屋全体ににおいが広がることがあります。
小さな場所の“汚れ”が、思ったより広い範囲に影響する感じにちょっと似ています。
お口の炎症も、体の中ではそれに近いことが起こりやすいんです。
難しそうに聞こえるけれど、ざっくりいうと「お口の炎症は体の負担にもなりやすい」ということなんです。
糖尿病との関係:お互いが悪循環になりやすい
次に糖尿病との関係ですが、これもよく言われていますよね。
「血糖値が高いと歯周病が進みやすい」
「歯周病があると血糖コントロールが乱れやすい」
こう聞くと、まるでどちらも“攻撃し合ってる”ように思えてしまいます。
でも、仕組みを一言で説明するととてもシンプルです。
糖尿病は、ざっくりいうと「身体が炎症に弱くなる状態」です。
そして歯周病は「歯ぐきの炎症」です。
つまり、炎症と炎症が手を取りあって悪化しやすい。
お互いの影響がループしやすいということなんです。
実際に、歯周病のケアをすると血糖値が安定したという研究もあります。
とはいえ、研究結果は個人差もあるので「絶対に改善する」とまでは言えませんが、「ちょっとでも体がラクになる可能性があるなら、やってみても損はないな」というくらいの気持ちで大丈夫です。
心臓病との関係:血管のトラブルとつながりやすい
次に心臓病との関係。
これも「歯周病菌が心臓に悪さをする」とか「動脈硬化を進める」といった話を聞くことがあります。
これもシンプルにまとめると、
・歯周病がある
→ 歯ぐきで炎症が続く
→ その炎症物質が血管を通って体に広がる
→ 血管に負担がかかりやすい
という事です。
そして、血管が負担を受けやすい人(家族歴・血圧・ストレスなど)では、この影響が積み重なりやすいという話なんです。
「怖い病気になる」というより、
「小さな炎症がたまると体にも響きやすい」
というほうがわかりやすいと思います。
「完璧なケア」は必要ありません
ここまで読むと、ちょっと不安が増えてしまった方もいるかもしれません。
でも、ここからがいちばん大事なところです。
歯周病と全身の関係が話題になると、どうしても「完璧に磨かなきゃ」と思いがちになります。
ですが完璧を求め過ぎると何事も続かないですよね。
なので、「すべて完璧に」ではなく、やるべきことはもっともっとシンプルです。
・1日1回、丁寧な歯磨きをする(夜だけでOK)
・フロスは“できる日だけ”でOK
・炎症が続く場所があれば、歯科で一度チェック
大事なのは、ゼロにしないことです。
完璧より“続けられるゆるさ”のほうが、結果として体にもよかったりします。
私なりの考え:「小さく整える」がいちばん続きます
歯周病と全身の関係は、医学的にいうと研究がどんどん進んでいるテーマです。
だからこそ、情報が難しく広がりやすく、受け取る側の不安が大きくなりやすい領域でもあります。
でも私自身は、患者さんとお話しするときはもっとシンプルにしています。
「日常のケアを少しだけ丁寧にする」
「炎症が長引いている場所をチェックする」
「気になる時期だけ、ちょっと頑張る」
これくらいがちょうどいいです。
これなら、忙しいママでも続けやすいですよね。
まとめ
歯周病と糖尿病、心臓病の関係は“深いようでシンプル”です。
お口の炎症が続くと、体も少し疲れやすくなる。
それを日常の小さなケアで整えていく。
その積み重ねが体の負担を減らすことにもつながりやすいです。
「怖い話だから気をつけて」ではなく、
「できる範囲でゆるく整えると、体も少しラクになるよ」
そのくらいの距離感でいいと思います。
無理なく、続けられるやさしいケアで、あなたと家族の健康を守っていけたら嬉しいです。

