「寝ている間の歯ぎしり」って、なんで起こるの?
朝起きたとき、「あごがだるい」「歯が浮く感じがする」なんてこと、ありませんか?
もしかすると、それはストレスによる歯ぎしりが原因かもしれません。
「寝ているときにストレス?そんなの関係あるの?」と思うかもしれませんが、
実は、心の緊張が体の反応として“あご”に出ることはよくあるんです。
歯ぎしりは「ストレス発散」のサインかも?
歯ぎしり(専門的には「ブラキシズム」といいます)は、
「歯をこすり合わせる」「強くかみしめる」といった無意識の動作のことです。
これ、実は体がストレスを処理しているサインでもあります。
ストレスを受けると、交感神経が優位になります。これは「緊張モード」。
このとき、筋肉も一緒に緊張してしまうため、
寝ている間でも「あごが力む」「歯を食いしばる」などが起きてしまうんです。
つまり、歯ぎしりは“悪いクセ”というより、
「頑張ってストレスと闘っている証拠」とも言えます。
放っておくとどうなる…?
少しの歯ぎしりなら問題ない場合も多いですが、
毎晩続くと、歯やあごに負担がかかります。
たとえば――
- 歯がすり減る
- 被せ物や詰め物が欠ける
- 顎関節症(がくかんせつしょう)のリスク
- 肩こり・頭痛の原因になることも
「そんなに強く?」と思うかもしれませんが、
寝ている間の食いしばりは、自分の体重ほどの力がかかることもあります。
自分では気づきにくいので、朝のだるさや歯の違和感は立派なサインです。
できること①:眠る前に「脱・緊張」タイムをつくる
ストレスを完全にゼロにするのは難しいですよね。
そこで大事なのは、体の緊張を“ゆるめる時間”をつくることです。
おすすめは、
- 寝る前30分はスマホを見ない
- ぬるめのお風呂でリラックス
- 軽いストレッチや深呼吸
「なんだ、普通のこと」と思うかもしれません。
でも、毎日の“少しの緩み”が、あごの力みを減らしてくれます。
子どもを寝かしつけたあと、照明を落として自分も一緒に深呼吸。
それだけでも十分です。
できること②:歯の負担を軽くする工夫
すでに歯ぎしりがある場合は、
ナイトガード(マウスピース)を歯科医院で作ってもらうのも安心です。
寝ている間に装着するだけで、歯や関節への負担をかなり減らせます。
また、日中の「食いしばりグセ」にも注意を。
家事や仕事中に「上下の歯がくっついている時間」が長い人は、
ふとした瞬間に“離してみる”ことを意識してみましょう。
まとめ|歯ぎしりを「心と体のバロメーター」に
歯ぎしりは、体がストレスと付き合うひとつの反応です。
決して「悪いクセ」と責める必要はありません。
でも、「毎朝あごがつらい」「歯がしみる」などのサインが出たら、
それは「ちょっと休んで」の合図かもしれません。
ストレスの正体をすべて取り除くのは難しくても、
体のほうから緊張をゆるめてあげることはできます。
歯ぎしり対策は、“心をいたわるケア”でもあるんです。
自分の体が頑張っている証拠だと思って、少しやさしく過ごしてあげましょう。

