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唾液の役割と増やすための生活習慣

唾液の役割と増やすための生活習慣

「最近、口の中が乾く気がする」「朝起きるとネバつく」
そんな経験、ありませんか?

実はこれ、唾液(だえき)が減っているサインかもしれません。
普段あまり意識しない“唾液”ですが、実はお口の健康を守るうえで欠かせないヒーローなんです。

目次

唾液のすごい働き、知ってますか?

唾液の働きはさまざまです。
たとえばこんな働きがあります。

  • 食べ物をまとめて飲み込みやすくする
  • 味を感じやすくする
  • 口の中の細菌を洗い流す
  • 酸を中和して、歯が溶けるのを防ぐ
  • 傷ついた粘膜を修復する

つまり、唾液がしっかり出ている人ほど、虫歯・口臭・歯周病のリスクが低いんです。
逆に、唾液が減るとお口のトラブルが一気に増える、というわけです。

「唾液が減る」ってどういうとき?

「歳をとると唾液が減る」とよく言われますが、実は年齢だけが原因ではありません
唾液を減らしてしまう習慣、意外と多いんです。

  • 水分をあまり摂らない(コーヒーやお茶ばかり)
  • 口呼吸をしている(寝ているときなど)
  • 強いストレスが続いている
  • 薬の副作用(抗アレルギー薬や降圧薬など)
  • よく噛まずに食べている

特に最近はマスク生活や在宅勤務の影響で、口呼吸や水分不足の人が増えました。
気づかないうちに「ドライマウス(口の乾き)」になっている人、実は多いんです。

唾液を増やすコツ:日常でできる3つの習慣

① よく噛む(“もぐもぐ”が一番の刺激)

唾液は「噛むほど出る」仕組みです。
柔らかいものばかり食べていると、自然と分泌が減ってしまいます。

おすすめは、

  • ひじき・切り干し大根・ごぼうなど“噛みごたえ”のあるおかず
  • ガム(キシリトール入り)を食後に少し

特にキシリトールガムは、唾液を出しながら虫歯予防もできる一石二鳥です。

② こまめに水を飲む(「喉が渇いた」は遅いサイン)

「喉が渇いた」と思う頃には、すでに体は軽く脱水気味です。
特に夜間や加湿器を使わない季節は、お口の中がカラカラになりがちです。

  • 朝起きたらまずコップ一杯の水
  • カフェイン入りの飲み物ばかりに偏らない
  • 夜寝る前にも少しだけ水分補給

少しずつ、こまめに摂るのがコツです。

③ 口を閉じて鼻で呼吸(これが意外と大事)

「え、そんなことで?」と思うかもしれませんが、
口呼吸をしていると、常にお口の中が乾燥状態になります。

  • 日中も無意識に口が開いていないか意識する
  • 寝るときに口が開く人は、口閉じテープを試してみる
  • 鼻づまりがある場合は、耳鼻科で相談を

口呼吸は唾液を減らすだけでなく、虫歯や口臭の原因にもなります。
少し意識するだけで、唾液の量がぐっと変わります。

食べ物でも「唾液アップ」を狙おう

唾液を出しやすくする食べ物もあります。
ポイントは、“酸味”と“噛みごたえ”です。

  • レモンや梅干しなど、ほどよい酸味
  • するめやセロリなど、しっかり噛む食材
  • 酸っぱい飲み物(ただし砂糖入りは控えめに)

ただし、酸味が強いものを摂りすぎると歯の表面(エナメル質)が溶けやすくなるので、
水でうがいをして中和するのを忘れずに。

無理は禁物

「唾液を増やさなきゃ!」と意識しすぎると、それが逆にストレスになることもあります。
ストレス自体が唾液を減らす要因なので、気楽にできる範囲で大丈夫です。

一日1回、意識してゆっくり噛む食事をする。
寝る前に水を飲む。
それだけでも、ちゃんと効果はあります。

まとめ

唾液は、お口の中のバランスを保つ“見えないヒーロー”です。
虫歯・口臭・歯周病を防ぎ、粘膜を守ってくれる頼もしい存在。

唾液を増やすためのコツは、
「よく噛む」「こまめに水を飲む」「鼻で呼吸する」を意識してみて下さい。

完璧じゃなくて大丈夫。
日々の小さな積み重ねが、お口の健康を着実に支えてくれます。

この記事を書いた人

歯科衛生士として長年勤め、そして3人の子育てをしながら「毎日のケアをもっと楽に、優しくしたい」という想いでオーラルNoteを運営しています。

専門知識だけでなく、実際のママとしての経験も交えて、家でできる正しいお口のケア方法をわかりやすくお届けします。

むずかしい話ではなく「今日からちょっとだけラクになるケア」を大切に発信しています。

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